NHK特集 「シルクロード」〜熱砂のオアシス トルファン〜

25年前のシルクロードのデジタルリマスター。


トルファンの町並みが整備されていて美しい。
真夏の気温が40℃、夜中でも30℃近くあるとのこと。
湿度が低いから比較的すごしやすそうだけど、肌がぼろぼろになりそうだ。
火焔山はトルファンに実在したとは。断層が炎のようにみえ、陽炎がたつ。
摂氏80℃くらいまであがるので登った人はいないとのこと。
西遊記のなかで重要な舞台として出てくるのがよくわかる。
今も昔も、不思議な土地であることに変わりはない。


トルファンの高昌故城から出てきた俑が、高松塚古墳の壁画に出てくる女性にそっくり。
やはり日本は唐から多大な影響を受けていたんだな。
キリスト教宣教師の絵も見つかっており、絵柄もずいぶん違う。
今の中国よりももっともっと多民族国家だったんだろうな。


交河故城は地面を掘ってつくられた。
「人々は岩に仏像を刻むように大地に一つの都市を彫刻したのだ」
なんともかっこよいナレーション。
彫られた町の跡は、地球上の都市ではなくまるで他の惑星にきたよう。
しかし、確実に人の生活した跡も残っている。当時の生活が浮かぶようだ。
絵も俑も素朴で、高昌故城と比べると美術的には少し見劣りがする。
いかに高昌の町が潤っていたか、仏教が芸術に影響を与えたか。


葡萄を摘むウイグルの女性たちはいろんな顔立ちだけど、みな美しい。
植物の緑に赤い服が映える。
雲ひとつない真っ青な空と、熱砂に足をうずめ温熱療法をする老人たちの赤い日よけ傘。
老人たちが食べる西瓜の赤や、瓜の緑。
昔の映像だが、色彩がしっかり復活しており心に響いた。
人々の生活もゆったりしていて、過酷な生活だが土地に溶け込んでいると感じた。


石窟の壁画がまだ残っていた。20世紀初頭に各国探検隊に剥ぎ取られた姿が痛々しい。
保存技術と倫理が整ってきたのはごく最近だからしょうがないが、破壊せず残していってほしい。
ビルマ人、モンゴル人、アラビア人など各国の人々の姿が描かれている。
西域から来る人たちが立ち止まる国際都市だった。
当時の繁栄の姿と、今のトルファンの人々の姿がかみ合わず、時代の流れにくらくらとした。


地下30mに水路も作っていた。かなりの規模だ。
水路からオアシスへと流れがつづく。砂だらけの砂漠と水の流れ。
まったく違う世界が同時に存在する、やはり不思議な都市だ。
シルクロードと聞いて想像する、そのままの姿をトルファンに見た。