テストの見方

日経IT Proの記事。

「テスト」は変わりつつある(要会員登録)


(要約)
今まで,日本の学校や産業界で行われてきた様々なテストの品質は,十分とは言えなかった。
実際,情報処理技術者試験やベンダーの資格試験についても,
「受験勉強だけで合格できるので本当のスキルとは無関係」,「どれだけ真剣に作っているのか怪しい問題が少なくない」
など,批判的な声を耳にする。


そもそもテストの本来の目的は,次の学習目標を設定する際の指標を示すことにある。
つまり点数や偏差値が重要な意味を持つのではなく,どのような問題にどう答えたかを細かく分析し,
その結果を受験者へフィードバックすることが重要なのだ。


従来のペーパーテストでは,「○×」式や選択式が多く用いられてきた。
この方式では知識を問うことはできても,実践的なスキルを測定できなかった。
コンピュータを使う「e-Testing」ならば,より実践的なスキルを問う出題が可能だ。
例えば医学試験ではパソコンの画面上に動画で病巣を表示し,適切な処置方法を答えさせる。


こうした動きを加速するため今年5月には,テスト理論の研究者をはじめ,医学,司法,
会計,語学教育,ITなどさまざまな分野の関係者が集まり,テスト測定技術の研究と標準化を目指す
「日本テスト学会」を設立した。学会の活動を通して,信頼性の高い問題の設計と公平に評価を行う仕組みを整備する。
それによって情報処理技術者試験やベンダーの資格試験の意義を高めていく。
「テストなんて無意味」と頭ごなしに批判せず,テストも変わりつつあることを理解して欲しい。
(池田 央 日本テスト学会理事長)

これまでテストといえば、偏差値重視を助長するとかと批判的な捕らえ方をされることが多かったが、
テストにはいろいろな側面がある。

  • 自己の力を客観的に判断できる
  • 合格という目標設定になる
  • 点数で優劣がつく

いままで、点数で優劣がつくという側面ばかりがスポットライトを浴び、
本来の目的である客観的な指針としての役目は忘れられていたのではないだろうか。
そのため、教育現場では偏差値至上主義やゆとり教育に傾き、
「テスト」自体が問題視されてきた。本末転倒である。


物事にはいろいろな側面がある。
一方的な主観だけで判断するのではなく、いろんな角度からライトを当ててみる。
そういう見方がこれから求められているのだろう。
短所が目立ちがちだが、長所もあわせて見ること。
とても難しいが、心がけていきたい。