イタリア旅行記 6日目 ポンペイ〜ローマ

ポンペイの入口でお昼ごはん

ナポリに戻ってバスでポンペイへ。
ポンペイまでは数十分。カプリ島ではしゃいだ疲れもあって眠たくなってしまう。
ヴェスヴィオ山や美しい海など、綺麗な景色があるのにうとうと。
母親にもったない!と後から散々言われてしまった。


ポンペイに着いて、すぐにお昼ご飯。
円形闘技場側の入口近くにあるレストランに入る。
メニューは、トマト味のパスタと豚肉のソテー。
ちょっと旅の疲れがでてきたかな?
ワインを飲む気もなく、水だけですませた。


途中でトイレに立ったときに知ったのだけど、
そのレストランはとても席数がたくさん。
オープンテラスになっている席や、ガラスの屋根のついた明るい席。
私たちが到着したのは昼を少し過ぎたときだったから、お客さんはほとんどいなかったけど
普段は旅行客でごった返しているんだろうなあ。

いよいよポンペイ

円形闘技場側から入場する予定だったのだが、
入口が閉まっていたので急遽別の入口のほうから入ることに。


門の手前はいま発掘調査をしているみたいで、たくさんの足場が組まれていた。
いかにも遺跡という雰囲気がむんむんだ。
入口からポンペイの町に入る門までは、ゆるい勾配の坂が続いている。
昔はこの坂を馬車が通っていたらしい。
今は観光客が歩きやすいように足場が作られている。


あちこちに野良犬が歩いていた。
ここポンペイには犬がたくさんいて、ガイドや学者たちになついているそうだ。
たくさん観光客が歩いているのに堂々と寝ている犬も。


ポンペイの町の入口、マリーナ門が見えてきた。
かなり大きい石造りの門だ。
馬車を降りずにそのまま通れるようになっていたらしい。

ポンペイの町へ

一歩足を踏み入れたら、そこは石だらけでごつごつした世界だった。
町は意外と広い。やはり廃墟だけあって、がらんとした雰囲気が漂う。


しばらく進むと広場に出た。
左手には神殿の跡。遠くにはヴェスヴィオ山も見える。
あの火山のせいでこの町は一瞬で廃墟になったのに、あんなに遠くにあるのか。
自然の大きさに対して人間はちっぽけなのかなと思った。


道の両脇にたくさんの建物が建っている。
建物は小さいレンガを上手に組み合わせてあり、かなり頑丈そうだ。
壁に細かい細工がしてあってかわいらしい。
道端に並ぶ柱は、ローマ時代の神殿と同じように縦のすじが入っている。
この柱のそばを、当時はどんな人たちが行き交い、生活していたんだろう?

遺跡めぐり

町は広いのですべては見て回れない。
特徴的な建物を、現地ガイドのマオロさんの案内でざっと見ていくことになった。


まずは、石膏で復元された遺体を見る。

大量の火山灰に覆われたので、人もそのまま埋もれてしまっている。
年月が経つとその人の形の空洞が出来るので、そこに石膏を流し込むのだ。
そうやって、なくなった瞬間の姿がリアルに再現されている。もちろん中に骨もある。
展示されている遺体は数点だったが、まだまだたくさん復元されているそうだ。
あまりのリアルさに見るのが怖かった。


近くの壁には当時のフレスコ画がそのまま残っている。
赤色がとても鮮やか。この赤は、今では復元できない色らしい。

浴場跡、商店街の跡

続いて浴場跡を見て回る。
暗い石造りの部屋は今でいうサウナだったらしい。
マッサージ室も完備していたみたい。
「ここに何があったと思いますか?マッサージ室です。指圧の心は母心、ですね。」
という、イタリア人のマオロさん。
なんでそんな言葉を知っているの?


床は綺麗なモザイクでできていた。
古代のオリジナルの床だそうだ。
こんなにかわいく建物を飾っていたとは驚き。


商店街の跡も。
壁にはそれぞれの店をあらわすレリーフがついていたりする。
パン屋の跡には大きな石臼があったり、
居酒屋には窯の跡があったり、興味深い。


居酒屋は24時間営業だったり、道路は車道と歩道に分かれていたり。
今と変わらない裕福な生活だったんだな。

一通り回って

なにもかも珍しいものばかりなので、片っ端から写真に収めていった。
ガイドを聞いて、写真にとって…。
一つ一つをゆっくり見て回ることは出来なかったので、
今となってはどこを通ったのか、何を見たのかはっきりと思い出せないものも。


でもいろんな遺跡を見て、古代の活き活きとした生活の様子がよくわかった。
すぐそこに人の気配があるのにその人はいない、そんな不思議な雰囲気。
ほんとうにここは一瞬で時を止められた場所だ。
遺跡を見ているとなくなった時間のことを思って少しせつない気持ちになった。



空は底抜けに青くて明るいのに、開放的な気分になれないのは
失ってしまったものがあまりに大きいからかもしれない。
強い陽射しで、石畳の道にできた影を見ながらそう思った。

一路ローマへ

出口を出たらお土産屋さんだらけ。
それを横目にバスに乗り込み、ローマへ向かう。


ローマがこの旅の最終目的地。あとちょっとで旅も終わりだ。
車内では添乗員さんがクイズ大会を開いてくれた。
添乗員さんが話した説明をどれだけ覚えているか?正解者には賞品も!
なかなかみんな覚えていなくて、添乗員さんはちょっとしょんぼり。
でもヒントがたくさんで結構盛り上がった。
私もひとつ正解して、ラグーソースをもらった。おみやげにしようっと。


旅行中に誕生日を迎える人へプレゼントも。
母親がちょうど誕生日だったので、とてもよろこんでいた。
添乗員さん、楽しい時間をありがとう。

カンツォーネディナー

夕食はカンツォーネを聴きながらのディナー。
カンツォーネが好きな母親がとても楽しみにしていた。
どんな素敵な歌が聴けるんだろう?


到着が少し遅れたので、すでにショーは始まっていた。
船乗りみたいな格好の人が歌うのかな?という先入観があったのだが、
実際は正装をしてオペラのような歌い方。ちょっと意外。
男性2人と女性1人でのショーだ。


曲はオペラの曲(椿姫かな?)や、
サンタルチア、帰れソレントへなど有名なものが中心。
お客さんは日本人ツアー客ばかりだからかな?
それでも素敵な歌声に食事の手を止めてうっとり。


料理は海老のパスタ、サーモンソテー。
おいしいワインもついてきて、普段の夕食よりすこし豪華な雰囲気でうれしいな。


突然、舞台の人たちがハッピーバースデーの曲を歌いだした。
驚いていると、ティラミスにろうそくを立てたものが、母親や他の人たちの席へ。
旅行中に誕生日を迎える人たちに、もうひとつの誕生日プレゼント。
こんなサプライズが待っていたとは!
みんな拍手で祝って、楽しくあたたかい雰囲気に。
母親もとっても喜んでいた。私もうれしいなあ!
添乗員さんも粋な計らいをしてくれる。

イルミネーション輝く街

ホテルに行く前に、夜のローマの町を見せてくれるという運転手さん。
ここでも思わぬプレゼントにみんな拍手で大喜び。
なんて楽しい夜だろう。


コロッセオフォロ・ロマーノなどがライトアップされて浮かび上がる。
とても綺麗で神秘的。これがローマの街か。
写真で何度も見たけど、本物を見られてとてもうれしい。
明日の観光がとても楽しみだ。


石畳の道なので結構揺れて、写真を綺麗に撮ることが出来なかったけれど
しっかり目に焼き付けた。

豪華なホテル

ツアーの参加者のうち、特別なプランの人たちはとても豪華なホテルへ。
後で聞くと、地下にローマの遺跡があったりと
ものすごいホテルだったみたい。
みんな「いいなー!うらやましいな!」と羨望のまなざし。


私たちの泊まるホテルは、ボルゲーゼ公園近くの静かな場所にあった。
ロビーがとても広くてアンティークな調度品が並ぶ。
部屋も落ち着く感じで、なかなかいいホテルだった。
いよいよ明日で観光はおしまい。
明日が来るのが楽しみなような、残念なような。