イタリア旅行記 4日目 フィレンツェ

フィレンツェの街へ

朝食をとるためにホテルの地下にあるレストランへ。
出発はゆっくりだったのでレストランは人も少なく、ゆったりと朝食をとることができた。
焼きたてのブリオッシュがおいしかった!
ミルクとコーヒーで即席カフェラテを作って一緒に食べた。


バスに乗り込んでフィレンツェの街へ。
ラッシュの時間もおわって車が少ない。駅の周辺でバスを降りていざ街へ!
朝のさわやかな空気が気持ちいいな。


フィレンツェの街は石造りの建物ばかり。道路ももちろん石畳。
ミラノともベネチアとも違う重厚感が漂う街だ。
あちこちの店も開店準備中。今日はどんな出来事が待っているんだろう。
写真はちょっとピンぼけ気味…。

ウフィツィ美術館

ドゥオモを横目に見ながらシニョーリア広場を抜けてウフィツィ美術館を目指す。
まだ観光客も少なくて、待ち時間もほとんどなく入ることが出来た。
これはラッキーなのかな?
ウフィツィ美術館英語版


ガイドさんに連れられて中に入る。
展示物は上の階にあるので、まずは階段を上っていかなければいけない。
これがまた結構な段数!
新婚さんたちは若いパワーでるんるんとあがっていったが、
私は母親もいるし…という口実で、ガイドさんと一緒にエレベーターですいっと階上へ。
ちょっと楽をしてしまった。


入ってみると、学校のように長い廊下が続いている。
ウフィツィとは英語でいうOfficeと同じで、事務所という意味だそうだ。
たしかに装飾が施されているけれど、ベネチアで見たドゥカーレ宮殿とはちがって
全体的に直線的で実用的な感じがした。


廊下にはびっしりと大理石の彫刻が並んでいる。
一つ一つをゆっくり見たかったけれど、残念ながら今回は駆け足観光なのでポイントだけ。
とても1日では見て回れないくらい、たくさんの展示物があるので
個人で見て回るにはポイントをしっかり勉強しておかなければ楽しめない。
私たちは駆け足だけどガイドさんの丁寧な解説つきだ。
日本語で解説があり、なおかつゆっくり見れたらいいのになあ、ちょっと贅沢かな。
(後で調べたら、日本語オーディオガイドなる物があるそうだ)


建物からはヴェッキオ橋も見える。
あの橋の上の回廊はヴァザーリの回廊と言って、
ピッティ宮殿からウフィツィを通って隣のヴェッキオ宮殿に続いている。
メディチ家の人たちが通勤に使っていた道らしい。
カラフルなヴェッキオ橋は遠くから眺めるのも楽しい。

絵との出会い

有名な絵を中心にざくっと回っていく。
私は絵を見るのが結構好きで、このイタリア旅行では本物を間近に見るのをとても楽しみにしていた。


フィリッポ・リッピの聖母子や、レオナルド・ダ・ビンチの受胎告知など
テレビで何度も見たことがある絵の本物が目の前にある。
ガイドさんはいろいろと絵の背景についてや宗教的な解説をしてくれていたが、
絵に見とれて話を半分しか聞いていなかった。
だって、話を聞いていたら絵に集中できないようで…。
ミケランジェロ聖家族は残念ながら貸し出し中だった。
独特の筋肉質な赤ちゃんが見たかった。

ボッティチェリ

つづいてこの美術館で一番有名な絵がある、ボッティチェリの間へ。
入ってすぐに、あの有名な「ビーナスの誕生」が現れた。想像したよりも大きい!


ヨーロッパ芸術は、中世からキリスト教と密接なかかわりがあって、
イタリアを旅行すると必ず宗教的な絵を見ることになる。
学生時代はキリスト教系の学校に通っていたし、旅の下準備としてキリスト教について
多少勉強してきたのだが、やはり日ごろ宗教と接する機会が少ないからか、
どこかに理解できない壁のようなものを感じ、私は宗教画はあまり好きではなかった。


しかし、この絵はローマ神話に基づいている。
フィレンツェの当主だったメディチ家の依頼によって描かれたものだそうだ。
宗教というものを無意識のうちに窮屈に感じていた私にとって、この絵は解放された気分だった。
ビーナスのたおやかな立ち姿は、実際の人の形とは少し違っているけれど、
絵から流れてくるイメージは、やさしくふんわりとして、それでいて芯のある
まさに真珠のようなビーナスだった。


その隣には「春(プリマヴェーラ)」。
ビーナスの誕生が白っぽい絵なのに比べ、こちらは濃い色がベースになっている。
メディチ家の依頼で、出産祝いとして描かれた絵。
花の女神フローラの笑顔がとても印象的だ。


春というだけあって、可愛い花がたくさん描いてある。
ガイドさんいわく、フィレンツェに実際に咲く花ばかりが書いてあるそうだ。
写真ではわからなかったけれど、背景と同じくらい色で立体的に描いてある花も。
女神の可憐な姿は、一見とてもはかなく見える。
でも目の輝きはしっかりしていて、母親の強さかな?とも感じた。


どちらもいまだに色あせない魅力があって、とても500年前に描かれた絵とは思えない。
長い間こうやって見る人に力を与えてきたから、ここまで有名な絵になったのだろう。

シニョーリア広場と馬

駆け足でウフィツィを見て、となりのシニョーリア広場へ。
ヴェッキオ宮殿の前の広場だ。
ここにもダビデ像のレプリカが置いてある。間近で見ると圧倒される大きさだ。
雨に打たれてちょっと汚れていたためか、なんとなく精気がない感じがした。
絶対本物を見てやる!


ヴェッキオ宮殿はベネチアドゥカーレ宮殿と比べて外見はごつごつとして質素な感じだ。
残念ながら今回は中の観光はなし。中庭をちらりと見るだけ。
シニョーリア広場はもうたくさんの観光客でごった返していた。
広場沿いのカフェでは人々を眺めながらゆったりとお茶をしている人たちが。
のんびりしていていいなあ。ああやって座ってお茶を飲んでみたいな。


広場をぐるっと一回り。
ちょうど土曜日だったからか、観光客を乗せる馬車も登場していた。
一心不乱に餌を食べている姿はとっても愛らしい。

ドゥオモに圧倒される

次はドゥオモの観光だ。
フィレンツェのシンボルといえば、なんといってもこのドゥオモ。
大きなクーポラの美しさには、かのミケランジェロも嫉妬したという。


外壁は白とピンクと緑の大理石が細かく組み合わされている。
ドゥオモの隣にはジョットの鐘楼、向かい側には礼拝堂が建っていて、
どちらも同じような外壁だ。
建物の間に立つと、ぐるりと大理石に囲まれて
圧倒的な存在感にただただ圧倒されるばかり。自分がちっぽけだと感じた。


聖堂の中は暗く、観光客が多いけれどひっそりとしている。神聖な空気だ。
キリスト教徒ではないけれど、心が静かになり落ち着いた。
ちょうど行事の準備をしていたらしく、入口からちょっと行ったところまでしか入れない。
クーポラの中はフレスコ画が描かれている。
窓から差し込む光を浴びて、キラキラと輝いてきれいだ。
近くで見たかったなあ。


地下にはローマ時代の遺跡があるらしい。今は売店になっているとか。
ちらりと覗いてみたら、人がたくさんいた。

お茶になごむ

お昼ご飯は中華料理。
焼きそば、エビチリ、チャーハンなどがならぶ。
なぜかこういうツアーって必ず中華料理か日本料理が入るんだよなあ。
わざわざ海外で食べなくてもいいのに…。
旅行に来る前はそう思っていたけれど。
実際に旅行に来てみると、食べなれた中華料理や日本食が意外とうれしかった。


いつもお昼にはワインを頼むけれど、今日はジャスミン茶。
やっぱり日本人だからお茶は落ち着くなあ。ほっと和んだ。