イタリア旅行記5日目 フィレンツェ〜ナポリ

サンタ・マリア・ノベッラ駅

昼食を終えて、水を買ったり靴屋さんを覗いたりとぶらぶら。
駅前の広場に腰掛けてのんびり母親と話をした。
まわりには市民や観光客が同じように腰掛けている。
太陽がぽかぽかあたって気持ちいい風が吹く。ちょっと陽射しが強いかな。


駅の構内まで行ってみることにした。
日本とは違って、イタリアの駅には改札口がない。
切符を持っていなくてもどんどん電車の近くまで行くことが出来る。
構内は広くて殺風景。通行する人は少なめだ。


駅の入口の売店ブルスケッタ風のお菓子を発見。
母親が食べたい!というので買ってみた。
それから、ダビデ像のマウスパッドも購入。
昨日買おうかどうしようか迷ったけれど、やっぱり欲しくなったのだ。
(マウスパッドは今、職場で使っている!)


駅の地下は商店街になっているようだったが、
どうやって降りていいのかわからなかったので上から眺めるだけにしておいた。

ユーロスターに乗車

時間になったので集合場所へ。
バスからスーツケースを降ろしてポーターさんを待つ。
ユーロスターまではポーターさんが荷物を持っていってくれるそうだ。
全部で26個のスーツケースがあるのにどうやって運ぶのかな?何人来るのかな?
そう思っていたら、貨物用の車が3両もついたカートに乗って現れた。
このカートでホームまで荷物を持って行くらしい。


発車まで30分ちょっとくらい。またしばらく自由時間だ。
あまり遠くに行けないので、その辺の看板などを見ながらぷらぷらする。
というのも、イタリアの列車は到着ホームが直前までわからなかったり、
何号車が先頭で来るのかわからないからだ。


実際に、途中でホームが変更になった!とわかって移動した。
でも結局それも間違いで、もとのホームに戻ったり。
そのたびに、ポーターさんはカートごとホームを移動していた。
お疲れ様です…。


ホームになんとかユーロスターが到着。

快適な列車の旅

男性陣の力を借りてなんとか車内にスーツケースを収めて、さあ出発!
私たちが乗ったのは2等客車。
座席は2×2の向かい合わせ席になっていて、真ん中にテーブルが置いてある。
足がのばしにくくてちょっとつらいけれど、座席はふかふかだ。


ユーロスターは有名なデザイナーが設計したらしく、直線的でシンプルなデザイン。
世界一美しいという話だけど、外見は新幹線の方がかっこいいかも?
中の設備も新幹線と比べるとやや機能性にかけるかな。
荷物を置くところが多いのはよかった。


ナポリまでは3時間半。みんな本を読んだりお菓子を食べたり、思い思いに過ごす。
車窓には、イタリアの田園地帯が広がっていた。

山が少なくて、遠くまで見渡すことが出来る。
牧草地なのかな、緑がどこまでも続いている。
空もとても大きく青く、雲が近くから遠くに流れていくさまが見える。
薄い雲ではなくてもくもくとした立体感のある雲。
今すぐあの場所まで行って、草原で、雲の上で昼寝をしてみたいと思った。


途中で席を立ってトイレへ。
車両の両端にあるトイレのうち、片方は人が入ったままなのか鍵が閉まりっぱなし。
仕方がないのでもう一方の遠いほうへ。
でも用を足したあと手を洗おうと思ったら、洗面台では水がでない!
さすがイタリア?


ローマ、テルミニ駅を通過して、ナポリについたころにはもう夕方だった。

ごちゃごちゃのナポリ

駅を降りたら、すぐさま駅裏の人通りの少ないところを通ってバスに乗り込む。
ナポリはスリやひったくりが多く治安があまりよくない。
そのため、ツアーではナポリは車窓から眺めるだけなのだ。


確かに、ナポリは今までみた都市とは違う雰囲気だった。
ひとつは高層ビルがあること。
イタリアではナポリとミラノにだけ高層ビルが許可されているそうだ。


もう一つは道路に車線がない?こと。
ほんとうは車線はあるのだが、だれも守らない。
道路中に車があふれて、4車線道路に7台くらい同時並行に走っている。
そして少しでも隙間が開くと頭を突っ込んで割り込むのだ。
おかげで道路は朝から晩まで渋滞だ。


通行人もすごい。その渋滞道路を平気で渡っていく。車が止まってくれるからだ。
道路の真ん中でカリメロ人形を強引に売りつけているおじさんも。
窓拭きおじさんもいる。止まっている車やゆっくり走っている車に近づいて、
頼んでもいないのに窓を拭いて料金をもらうのだ。
運転手の中には、ちゃんとお金を払う人、払わない人といろいろいた。
安全なバスの中から見ているだけなら面白いなあ。


ナポリの街はゴミが散乱している。
市場の場所は段ボールが山積み。ゴミの中に街があるようだ。
日本がいかに清潔でルールを守る国か痛感した。


でも市民の元気さはイタリア一らしい。
添乗員さんはイタリアの関西、といっていたが関西はもっときれいですよ!
独特の活気というか、得体の知れないパワーを感じるところだ。

ナポリ市内の観光

車の中から、新城やナポリ湾を眺める。
さすが「ナポリを見て死ね」と言われているように美しい風景だ。
サンタルチアの歌が頭の中をぐるぐるまわった。


卵城付近では、ほんの少しだけ下車して写真をとる時間があった。
でも引ったくりが多いので、できるだけ荷物はバスの中に置いていく。
添乗員さんも「出来るだけ早く帰ってきてくださいね、5分だけですよ」と念を押す。
そこまで脅されると怖いので、ぱぱっと写真を撮ってあとは車の中から景色を眺めた。



あたりは夕暮れで、空の下のほうだけぼんやりと明るい。
なんとなく霞んだ空気に、写真をはしゃぎながら撮っている新婚さんのシルエットが浮かぶ。
海に光がぼんやり反射して、夢のような風景だ。
添乗員さんに脅かされていなければ、もっと外でのんびり景色を眺めたかったな。

ホテルでやっと安心

夕食はホテルで。
あわただしく観光したので、なんとなく気が急いていた。
席に着いてようやくほっと一安心。


メニューはイカのパスタと白身魚のソテーほうれん草添え。
白ワインと一緒にいただく。
白身魚は塩気が少し足りなくて、塩を出してきてもらった。
ドルチェのティラミスまでぺろりと平らげた。


部屋はピンク色が基調で、ヨーロピアン風の内装だ。
窓から外を眺めると、相変わらず道路は渋滞。
でも部屋の中は喧騒から離れてかなりくつろげた。
高層ビル群の夜景がきれいだ。他の都市では見られなかった近代的な風景だ。
明日はカプリ島へ。青の洞窟に入れるかな?
そんなことを話しつつ、お茶を飲んでゆっくりした。