イタリア旅行記 6日目 ナポリ〜カプリ島

ナポリで迎える朝

目がさめて、窓の下の風景を眺めるとちょうど列車が走りぬけるところだった。
列車は落書きだらけ。
写真に撮ろうとカメラを構えたが、スピードがあって上手く撮れない。
朝日がちょうどあがってくるところで、雲が朝焼けできれいだった。


身支度を整えて、朝食を撮るためレストランへ。
宿泊客でとても混雑している。なんとか席を見つけて朝食にありついた。
日本人はあまりいなくて、ヨーロッパ系の旅行者が多かったな。


部屋に戻って出発の準備を整える。
今まではスーツケースは出発前に部屋の外に出していたけれど、
ナポリはホテルの中でも危険だということで、自分でバゲージダウン。
ホテルからバスに荷物を移す間も、男性陣に見張りをしてもらったりと
朝から緊張の一瞬だった!

船に乗ってカプリ島

今日はカプリ島の観光。天気もよく風も強くなさそうだ。
まずはサンタルチア港までバスで向かう。ナポリの町は朝から渋滞だ。
昨日は薄暗くてよく見えなかった新城がよく見える。


港についてバスを降りた。
どの船に乗ればいいのかギリギリまでわからないそうなのでバスの周辺でぼんやり。
人気が少ないのでここなら安心だ。
今日一日ガイドをしてくれる、イタリア人ガイドのマオロさんが挨拶をしてくれる。
日本語がぺらぺらだー。


目の前の船が出港準備を始めた。どうやらこれに乗るらしい。
カプリ島までは約1時間の船旅だ。


いよいよ出航。船にはあまり乗客がいなくて半分以上空き席だ。
1階はエコノミークラス、2階はビジネスクラスに分かれているみたい。
船からはナポリ湾の風景がよく見えた。
波しぶきがすごくて窓ガラスが曇り、あまりよく見られなかったのが残念。
だんだん小さくなっていくナポリの風景はとても美しい。
街の中があんなにごちゃごちゃなのが信じられないくらいだ。

カプリ島に到着

ようやくカプリ島に到着!
船から一歩足を下ろした途端、そこはリゾート地の雰囲気だった。
青い空、白い雲、青い海、白い建物…。青と白のコントラストがまぶしい!
陽射しも燦々と降り注いで波も穏やかだ。
暖かくからっとした風がさわやかに吹き抜ける。


すぐに小さい船に乗り換えて、青の洞窟に一目散。
青の洞窟は天候によって入れないことが多いのであまり期待しないように、
と、添乗員さんから説明を受けた。
でもこんな青い海を見てしまうと、はやる気持ちは抑えきれない。
みんな口々に「入れたらいいね」とつぶやいた。


青の洞窟までは船で10分くらい。
小さい船は私たちツアー客でいっぱい。みんな甲板の端に腰掛ける。
空も海もほんとうに青くて、どこまでが海か空かわからないくらい。
カプリ島の岩山が海面から切り立っている。
なんという雄大な景色だろう!
お互いに写真をとりあったりしてもう大はしゃぎ。楽しみだ!

青の洞窟

いよいよ青の洞窟に到着。
「ラッキーなことに今日は入れるようです!」という添乗員さん。
もう一同大喜びで拍手!やったあ。自分の目で見られるんだ!



洞窟の入口はとても小さい。1.5メートルくらいの穴があいているだけ。
4人乗りの小さい船でないと入れない。
船頭さんへのチップ1ユーロをポケットに入れて、えいやっと乗り移る。
ぐらぐらしてこわいよー。
ぎゅっと手をひいてくれた船頭さんだけが頼り。


船が洞窟に近づいていく。
船の上にねっころがって来るべきその時を待つ。
入口には鎖がついていて、船頭さんはそれを握って勢いよく入っていくのだ。
さあ、いよいよ突入!



中に入った途端、息を呑むような青さ。
その青は今まで見たこともないような色。
まるで海自身が光を発しているかのよう。
透き通った色なのに、海の底は何も見えない。ただ青があるのみ。
真っ暗な洞窟の中、海の青さだけがぼんやりとあたりを照らす。
入口から差し込む光がとてもまぶしくて、なにかに導かれるようだ。


ほんとうに夢のような風景。
この一瞬を少しでもカメラに収めようと、みんな必死でシャッターを押す。
でも揺れる船の上ではなかなか上手く撮れなかった。
船はゆっくりと洞窟の中を一周。夢のような時間はあっという間に過ぎていった。